アナフィラキシーの症状・原因・治療方法とは?

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アナフィラキシーとはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、医科サプリ編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長

アナフィラキシーとは

アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状 が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応

引用:日本アレルギー学会「アナフィラキシーガイドライン」
https://anaphylaxis-guideline.jp/pdf/guideline_slide.pdf

高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長監修ドクターのコメント
アナフィラキシーとは、食べ物や蜂毒、薬物などが原因で起こる急性のアレルギー反応のひとつです。広い意味では、蕁麻疹の軽いものまで含めることもあります。一方、アナフィラキシーショックは、アナフィラキシーの激しいもので、急速に全身の症状が出てショック状態に陥る状況のことを言います。

アナフィラキシーの症状

皮膚・粘膜
紅潮、瘙痒感、蕁麻疹、血管浮腫、麻疹様発疹、立毛、眼結膜充血、流涙、口腔内腫脹
呼吸器
鼻瘙痒感、鼻閉、鼻汁、くしゃみ 咽頭瘙痒感、咽喉絞扼感、発声障害、嗄声、上気道性喘鳴、断続的な乾性咳嗽 下気道:呼吸数増加、息切れ、胸部絞扼感、激しい咳嗽、喘鳴/気管支痙攣、チアノーゼ、 呼吸停止 消化器 腹痛、嘔気、嘔吐、下痢、嚥下障害
心血管系
胸痛、頻脈、徐脈(まれ)、その他の不整脈、動悸 血圧低下、失神、失禁、ショック、心停止
中枢神経
切迫した破滅感、不安(乳幼児や小児の場合は、突然の行動変化、例えば、短気になる、 遊ぶのを止める、親にまとわりつくなど)、拍動性頭痛(アドレナリン投与前)、不穏状態、浮 動性めまい、トンネル状視野

引用:日本アレルギー学会「アナフィラキシーガイドライン」
https://anaphylaxis-guideline.jp/pdf/guideline_slide.pdf

高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長ドクターの解説
代表的な症状は、蕁麻疹や皮膚が赤くなるといったものを中心とする皮膚症状です。あとは呼吸器症状(喘息やアレルギー性の耳鼻科症状等)や、重症になると血圧低下を伴うショック状態に陥ることもあります。

アナフィラキシーの原因

食べ物
鶏卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツなど、特定の食べ物を食べたときに起こります。子どもから大人まで幅広い世代でみられますが、特に乳幼児に多くみられます。
また、食べただけでは症状が出ないのに、食べて4時間以内に運動が組み合わさると症状が誘発される特殊なタイプに、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」もあります。

蜂毒
スズメバチ、アシナガバチなどの蜂の毒液によるアレルギー反応。日本では、蜂刺されによるアナフィラキシーショックで年間20人ほどが亡くなっています。

薬物
原因となる薬物の多くは、ペニシリンなどの抗生物質、アスピリンなどの解熱鎮痛剤、抗てんかん薬の頻度が多く、また、検査に使われる造影剤、その他に、ワクチンや麻酔薬、輸血なども原因となりやすい傾向があります。

ラテックス(天然ゴム)
ラテックスはゴムノキの樹液に含まれる成分です。このため、天然ゴム製品に触れてアナフィラキシー反応が起こる場合があります。ラテックスは医療用手袋やカテーテルなどに使用されている他、風船や避妊具、ゴム靴、ゴム草履などの日用品に使われている場合もあります。
また、ラテックスアレルギーがあると、バナナ、アボカド、キウイなどにもアレルギーを起こす「ラテックス・フルーツ症候群」が知られています。

運動
まれに運動中、もしくは運動直後にアナフィラキシーを起こす場合があり、運動誘発性アナフィラキシーと呼ばれています。運動を中止することにより、症状がおさまることが多いといわれています。

その他
まれですが、クラゲなどの海洋生物による刺傷(ししょう)、ハムスター、ヘビ、ダニ、アリなどによる咬傷(こうしょう)、物理的刺激によるアナフィラキシーの報告もあります。また、原因の検査をしても特定できず、原因不明となる場合も少なくありません。

引用:マイランEPD「アナフィラキシーってなあに.jp」
http://allergy72.jp/anaphylaxis/factor.html

アナフィラキシーの検査法

アナフィラキシー反応は通常、症状から明らかに診断がつきます。急速に症状が悪化して生命が脅かされる可能性があるため、直ちに治療を開始します。
症状が軽度であれば、血液検査や尿検査で診断を確定できます。これらの検査では、アレルギー反応で生じる物質の量を測定します。ただし、このような検査は通常必要ありません。

引用:MSDマニュアル家庭版
>https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/15-免疫の病気/アレルギー反応およびその他の過敏性疾患/アナフィラキシー反応

高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長監修ドクターのコメント

原因として有名なものに、運動誘発性アナフィラキシーがあります。食事を(小麦等を摂取)した後、すぐに運動すると、それをきっかけにアナフィラキシーを起こします。また、ハチに刺されてアナフィラキシーショックになることもあります。この場合は、刺されてから数分から数十分程度で症状が出やすいので、ボスミン(急性低血圧時の補助治療用注射薬)を大腿部に注射する必要があります。アナフィラキシーが起こった場合、まず全身状態を良くするための治療(アドレナリン自己注射やステロイドの点滴など)を最優先し、原因は後から調べることが多いです。

血液検査は原因検査の一つになります。IgE RIST(リスト検査:すべてのアレルゲンに対するIgE抗体をはかる方法)や、IgE RAST(ラスト検査:アレルゲンごとのIgE値をはかる方法)、HRT(ヒスタミン遊離試験)などがあります。

また、完全にアナフィラキシーの原因を証明するには、チャレンジテスト(食物負荷試験:少しずつ医療機関でアレルギーの原因となる食品を食べていく検査)を行います。

アナフィラキシーの治療方法

アナフィラキシーの治療法は症状によってことなります。
軽い皮膚や粘膜症状の場合は抗ヒスタミン薬、呼吸器症状には気管支拡張薬、症状が重くなってくると経口副腎皮質ステロイド薬などの内服薬が用いられます。
ショック症状(ぐったり、意識障害、失禁など)やのどの強い症状(のどが締め付けられる感じ、声がれ、声が出ないなど)、呼吸器系の強い症状(強い喘鳴、呼吸困難など)があらわれた場合には、速やかにアドレナリン自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)※を用います。
過去にアナフィラキシーショックを起こしたことがある、もしくは、起こす危険性があると思われる場合は、緊急時にそなえてアドレナリン自己注射薬を常に携帯しておくとよいでしょう。
処方には専門の医師の診断が必要です。2011年9月に保険適用となり、それまで自費扱いだったものが、健康保険による一部負担で処方を受けることができるようになりました。
緊急時に使用するものなので、日頃から正しい使用法をしっかり理解しておく心構えが必要です。万が一のときに、適切な対処法がとれるように相談しておきましょう。

引用:マイランEPD「アナフィラキシーってなあに.jp」
http://allergy72.jp/anaphylaxis/treatment.html

高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長監修ドクターのコメント
強い症状の場合は、エピペン(アドレナリン自己注射薬:アナフィラキシーの症状を緩和する注射薬)を第一に選択します。その後症状に応じて、ステロイドの点滴や注射、抗ヒスタミン剤、吸入などが用いられます。過去にアナフィラキシーショックやそれに近い症状になったことがある方は、万一の場合に備えて、アドレナリン自己注射薬を所持しておいたほうがいいでしょう。


この記事の監修ドクター

高橋 典大 医師 飯田橋クリニック院長高橋 典大 医師 飯田橋クリニック 院長

PROFILE

医療法人社団 高典会理事長、飯田橋クリニック院長
医学博士 法学修士 皮膚科認定専門医

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