前立腺肥大症の症状・原因・治療方法について

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前立腺肥大症(読み方:ぜんりつせんひだいしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、医科サプリ編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
児島 康行 医師(四ツ橋腎泌尿器科こじまクリニック 院長)

前立腺肥大症とは

 前立腺は、男性にしかない臓器です。膀胱の出口に位置し、尿道を取り囲んで栗のような形と大きさをしており、精液を作ったり、精液を外へ出す役割をしています。尿は膀胱から前立腺の内部を通り、尿道から体の外へ排出されます。

 前立腺肥大症は、前立腺が大きく広がってしまうことでさまざまな機能に支障が出る病気です。前立腺が肥大すると図に示すように尿道が狭くなり、排尿することが困難になります。他には、頻尿や残尿感、夜間頻繁にトイレに行きたくなる、尿失禁、尿意切迫感(尿がしたくなると我慢できなくなる感じ)、尿漏れなどを引き起こすことがあります。

引用:長寿科学振興財団 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/zenritsusenhidaishou/about.html

児島康行医師 四ツ橋腎泌尿器科こじまクリニック院長ドクターの解説
患者数が増えているのは、日本人の食生活の多様化による影響が考えられます。またメタボリック症候群と前立腺肥大症の関連も指摘されています。

前立腺肥大症の症状

(1)排尿後、まだ尿が残っている感じがする(残尿感)
(2)トイレが近い(頻尿)
(3)尿が途中で途切れる(尿線途絶)
(4)急に、尿意をもよおし、もれそうで我慢できない(尿意切迫感)
(5)尿の勢いが弱い(尿勢低下)
(6)おなかに力を入れないと尿が出ない(腹圧排尿)
(7)夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)

引用:アステラス製薬 排尿トラブル改善.com
http://www.hainyou.com/m/bph/

児島康行医師 四ツ橋腎泌尿器科こじまクリニック院長ドクターの解説
炎症を伴わない限り痛みはありません。頻尿も生活に支障がなければ問題ありませんが、夜中に2回以上トイレに行くと、睡眠障害をきたし精神的状態にも関与することがあります。

前立腺肥大症の原因

なぜ前立腺が肥大するのか、いくつかの仮説はありますが、はっきりした原因はわかっていません。ただ、加齢と性ホルモンが何らかの影響を及ぼしていることは確かなようです。前立腺肥大症が50歳以降から増え始め、年齢が高くなるにつれて発症する人が多くなっていくことから、加齢が関与していることは、確実です。また、思春期前に事故などで精巣を失った男性は年をとっても前立腺肥大にならないことがわかっており、性ホルモンも何らかの影響を与えているのではないかと考えられています。

引用:アステラス製薬 排尿トラブル改善.com
http://www.hainyou.com/m/bph/

児島康行医師 四ツ橋腎泌尿器科こじまクリニック院長ドクターの解説
明らかな原因遺伝子はわかっていませんが、父親や兄弟に前立腺肥大症があるとリスクが高いと言われています。また肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症などいわゆるメタボリック症候群との関連性が指摘されています。一方、大豆などに多く含まれるイソフラボノイドは前立腺肥大症を抑制するとされています。

前立腺肥大症の検査法

前立腺の専門的診察は泌尿器科で行います。必ず行う検査としては、【1】自覚症状の評価、【2】直腸内指診、【3】尿検査、【4】尿流測定、【5】残尿測定、【6】血清PSA(前立腺特異抗原)測定、【7】前立腺超音波検査があり、症例を選択して行う検査としては、【8】排尿日誌、【9】尿流動態検査、【10】血清クレアチニン値の測定、【11】上部尿路超音波検査などがあります。

引用:旭化成ファーマ
https://www.asahikasei-pharma.co.jp/health/prostate/inspection.html

児島康行医師 四ツ橋腎泌尿器科こじまクリニック院長ドクターの解説
エコーは腹部エコー以外に、経直腸エコーも有用です。
その他、残尿測定を行い、残尿が多ければ感染症のリスクも高くなり治療が必要です。

前立腺肥大症の治療方法

前立腺肥大症の治療には、大別すると薬物治療、手術治療、保存治療の3つがあります。先に述べた、肉眼的血尿、尿路感染、尿閉、膀胱結石、腎機能障害などの前立腺肥大症による合併症がみられる場合には、手術治療が行われますが、それ以外の場合は、まず薬物治療が行われます。前立腺肥大症の手術治療としては、最近新しい技術が開発され、様々な治療法がありますが、内視鏡手術が標準的な手術として行われます。

引用:旭化成ファーマ
https://www.asahikasei-pharma.co.jp/health/prostate/etc.html

児島康行医師 四ツ橋腎泌尿器科こじまクリニック院長ドクターの解説
薬物療法をメインに行いますが、薬物の効果が不十分、あるいは尿閉、血尿、感染症などの合併症がある場合は手術を検討する必要があります。

最近では、PDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬などが使用できるようになり、保存的治療の選択肢が広がり、手術をしなければならないケースが少なくなってきた印象があります。


この記事の監修ドクター

PROFILE

1985年  兵庫医科大学卒業
1985年  大阪大学医学部附属病院
1986年  大阪厚生年金病院泌尿器科
1989年  協仁会小松病院泌尿器科
1993年  大阪大学医学部 助手・学内講師
1998年  蒼龍会井上病院 泌尿器科部長・副院長、大阪大学医学部非常勤講師
2017年  四ツ橋 腎泌尿器科こじまクリニック 院長

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