自己免疫性膵炎の症状や原因、治療方法とは?

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自己免疫性膵炎(読み方:じこめんえきせいすいえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、医科サプリ編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長

自己免疫性膵炎とは

自己免疫性膵炎(Autoimmune pancreatitis:AIP)は、1995年に初めて提唱された比較的新しい病気です。IgG4関連疾患のひとつであり、日本人に多い疾患です。自己免疫による炎症で膵臓がソーセージのように腫れ上がり、中を通る膵管が細くなったり、胆汁の流れ道の胆管が詰まったりしてしまうことで目が黄色くなってしまうことがあります(黄疸)。血液検査ではガンマグロブリンやIgG、IgG4の値が高くなります。また、自己抗体が検出されたり、IgG4関連疾患(硬化性胆管炎、硬化性唾液腺炎、後腹膜線維症、腎症など)を合併することが時々あります。

引用:慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000787.html

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長監修ドクターのコメント
自己免疫性膵炎とは、本来自分の体を外敵から守る仕組み(自己免疫)が、自分自身の膵臓を攻撃することにより、膵臓に慢性的な炎症をおこす病気です。日本人の男性とくに60歳前後で見つかる場合が多いです。

自己免疫性膵炎の症状

膵炎というと痛みが出る印象がありますが、自己免疫性膵炎はあまり症状が出ません。どちらかというと膵臓が炎症を起こして腫れ上がることで、胆汁の流れ道をふさいでしまい、黄疸になって見つかる方が半数です。背中の痛みや体重の減少、食欲不振、体のだるさなどの主訴から調べて見つかることがあります。また膵臓以外の臓器が炎症を起こして腫れることがあるため、合併症状から先に見つかることもあります。

引用:慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000787.html

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長ドクターの解説
多くの場合、無症状もしくは非特異的な全身症状のみです。自己免疫性膵炎自体の症状ではなく、2次的に起こる黄疸や糖尿病の悪化や急激な発症などにより診断される場合もあります。

自己免疫性膵炎の原因

自己免疫機序の異常が原因とされていますが、詳細なメカニズムは未だ不明です。

引用:東京大学医学部附属病院 消化器内科 胆膵グループ
http://todai-tansui.com/case/academic/case05.html

自己免疫性膵炎の検査法

超音波検査やCTで膵臓の全体的あるいは部分的な腫大が認められた場合に、自己免疫性膵炎を疑います(図1)。もうひとつの大きな画像的特徴は膵内を走行する膵管の狭細変化です。この確認のために、まず体に負担をかけずに膵管を描出できる磁気共鳴膵胆管造影(MRCP)を行い、最終的には内視鏡的膵胆管造影(ERCP)により評価します。

画像検査と並んで重要なのが血液検査です。自己免疫性膵炎に最も特徴的なのはIgG4の上昇で、9割近い症例で高値を示します。画像検査、血液検査のみで確定診断に至らない場合は、膵臓の組織の一部を採取する検査(生検)が考慮されます。顕微鏡的にはリンパ球や形質細胞の浸潤が特徴的とされます。各種検査により自己免疫性膵炎と診断されますが、なかには治療前に確定診断に至らず、ステロイド薬に対する治療反応性により診断される場合もあります。

引用:東京大学医学部附属病院 消化器内科 胆膵グループ
http://todai-tansui.com/case/academic/case05.html

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長監修ドクターのコメント
検診などで行う腹部超音波検査やCTで膵臓の全体的あるいは部分的な腫大が認められた場合に、この病気を疑うことになります。膵がんとの鑑別が非常に大切で、膵管の変化をMRCPやERCPで確認することや、採血検査などで鑑別を行いますが、最終的に診断がつかない場合もあり、その場合には生検や診断的治療などを行う場合もあります。

自己免疫性膵炎の治療方法

自己免疫性膵炎の治療にはステロイドが有効です。体重1kgあたりプレドニゾロン0.6mgの量、つまり50kgの方は1日30mgより治療を開始して徐々に減らしていきます。中止すると再発する患者さんが多いため、少ない量で治療を継続するのが一般的です。

 引用:慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000787.html

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長監修ドクターのコメント
上述のとおり、膵癌との鑑別が重要です。自己免疫性膵炎と診断された場合には、ステロイド治療が非常に有効とされています。ステロイドは徐々に減量していきますが、中止による再燃も多く、いつまで継続するかははっきりしていません。


この記事の監修ドクター

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長寒河江 三太郎 医師
厚木胃腸科医院 院長

PROFILE

平成19年 北里大学医学部医学科卒業。

平成19年 北里大学医学部医学科卒業。国際親善総合病院にて初期研修後、慶應義塾大学一般・消化器外科教室入室。

平成21年 稲城市立病院 外科。

平成22年 平塚市民病院 外科。

平成23年 慶應義塾大学病院 一般・消化器外科。

平成27年6月 厚木胃腸科医院院長。

日本消化器内視鏡専門医。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。日本禁煙学会認定指導医。

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