急性胃粘膜病変(AGML)の症状や原因、治療方法とは?

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急性胃粘膜病変(AGML)(読み方:きゅうせいいねんまくびょうへん、別名:AGML)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、医科サプリ編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
町田 宏 医師 まちだクリニック院長

急性胃粘膜病変(AGML)とは

突発する上腹部症状を伴い、出血、びらん、潰瘍などの胃粘膜障害を認めるものです。原因として、精神的あるいは肉体的ストレス、外傷、手術、薬剤、アルコールなどの飲食物などが報告されています。男性に多く、若年層ではストレスによるものが多く、薬剤によるものは、基礎疾患を有する60歳代に多いといわれています。酸分泌抑制薬内服などの治療が必要です。

引用:日本人間ドック学会
https://www.ningen-dock.jp/public/inspection/endoscopy

町田 宏 医師 まちだクリニック院長ドクターの解説
急性胃粘膜病変とは、胃の粘膜に出血やびらんなどが生じる急性胃炎や、潰瘍が生じる胃潰瘍の総称です。これらが急激に発症し、その結果みぞおちのあたりの急激な痛みなどが表れます。原因は多岐にわたりますが、最近はピロリ菌の感染との関連性も指摘されています。内視鏡検査で診断することができ、軽症の場合は、胃酸の分泌を抑えるお薬などの服用で軽快します。症状の発生は急激ですが、適切な治療を行えば早期に治ります。

急性胃粘膜病変(AGML)の症状

心窩部(しんかぶ)痛(みぞおちのあたりの痛み)、胃部膨満感、悪心(むかつき)、嘔吐、吐血、下血

引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/stomach/stomach_03.html

町田 宏 医師 まちだクリニック院長ドクターの解説
主な症状は、みぞおち周辺の強い痛みや吐き気です。また潰瘍になっているようであれば、吐くときに出血したりすることもあります。発症は急激に起こります。

例えば、年末年始などで飲み会が続き、アルコールの量が増えたり暴飲暴食したりして、急に胃が痛くなったり吐き気をもよおしたとか、過度なストレスがたまっていて急に胃が痛くなってきた場合などが挙げられます。

急性胃粘膜病変(AGML)の原因

急性胃粘膜病変の原因はいろいろあります。
①精神的および身体的ストレス(手術、外傷など)
②薬剤をはじめとする化学物質(解熱鎮痛薬、抗生物質、副腎皮質ホルモン剤、抗がん剤、農薬、洗剤など)
③刺激のある飲食物(香辛料、コーヒー、アルコール、熱いもの)の摂取
④食中毒や特定の食物に対するアレルギー反応
⑤肝臓や腎臓はじめとする内臓疾患をもっている人
このような様々な原因によって胃液の分泌亢進や粘膜分泌の低下、胃粘膜の血液循環の悪化、さらに粘膜への直接障害が引き起こされ、胃粘膜の障害が起こると考えられています。

引用:総合南東北病院
http://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/201207/inenmaku.html

急性胃粘膜病変(AGML)の検査法

内視鏡検査:
胃粘膜の状態を観察します。不整形、地図状のびらんや潰瘍が見られる特徴があります。

引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/stomach/stomach_03.html

町田 宏 医師 まちだクリニック院長ドクターの解説
原因としては、
・ストレス、環境の変化など
・誤って薬品を飲んだ場合など
・食中毒
・暴飲暴食
・辛い物やアルコールの多飲によるもの
・ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)
・NSAIDs(痛み止めのお薬)等
などさまざまなものが考えられます。このうち一番多いのはストレスによるものと思われます。ストレスの刺激により、胃酸が過剰に分泌され、また胃の血管を収縮させ血流を減らし、胃粘膜を保護する粘液の分泌が減少します。その結果、炎症や潰瘍が起きてしまいます。なお検査では、緊急に胃カメラ(内視鏡検査)を行い、胃の荒れ具合や潰瘍があるかなど確認します。

急性胃粘膜病変(AGML)の治療方法

急性胃粘膜病変の治療は、まず原因の除去が重要です。軽症の場合はこれに加えて内服薬を服用し、経過観察します。
比較的重症と判断された場合は入院して食事制限を行ない、点滴などの治療をします。患者さんの状態に合わせて薬物療法を行ないます。消化性潰瘍の治療に準じて胃液中の酸の分泌を抑える薬や胃の粘膜を酸から守る薬などが使われます。
出血をともなっている場合は状態に応じて止血する治療が行われます。

引用:総合南東北病院
http://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/201207/inenmaku.html

町田 宏 医師 まちだクリニック院長ドクターの解説
お薬に関しては、昔はH2阻害薬が使用されていましたが、現在では胃酸を強く抑える働きがあるプロトンポンプ阻害薬(PPI)が用いられています。あとは、胃粘膜を修復するお薬や、出血がある場合は止血剤を使用します。

なお、胃に穴が開いてしまった場合など症状が重い場合は、手術が必要になることもあります。

また、生活習慣の改善も治療になります。コーヒーやアルコール、たばこなど胃を刺激するものをできるだけ避け、適度な運動やストレス解消を行うことも大切です。

もし、原因がはっきりとしている場合には、その原因自体の除去も必要です。

こういった症状が出た場合は、胃カメラを行える専門の医療機関を受診されるのが望ましいでしょう。症状が実際に胃から起こっているものなのか、それとも別の病気によるものなのか確認することも大切です。状態にもよりますが、比較的早期に治る場合が多いです。


この記事の監修ドクター

町田 宏 医師 まちだクリニック院長町田 宏 医師
まちだクリニック 院長

PROFILE

●経歴

昭和41年 沖縄市生まれ

平成3年 昭和大学医学部 卒業

昭和大学藤が丘病院(神奈川県横浜市)外科

亀田総合病院(千葉県鴨川市)外科

横浜旭中央総合病院(神奈川県横浜市)外科

唐沢病院(北海道旭川市)

中頭病院・ちばなクリニック(沖縄県沖縄市) 健康管理センター長

平成26年6月 まちだクリニック 開設

●資格・認定

等医学博士日本外科学会 認定登録医

日本消化器外科学会 認定医

日本消化器内視鏡学会 専門医

日本糖質制限医療推進協会 会員

湿潤療法(モイストケア)を推進する会 会員

●内視鏡検査実績

胃カメラ 22,000件以上

大腸カメラ 7,000件以上

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