胃食道逆流症(GERD)の症状や原因、治療方法とは?

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胃食道逆流症(GERD)(読み方:いしょくどうぎゃくりゅうしょう、別名:GERD)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、医科サプリ編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
甲斐 康之 医師 甲斐内科消化器内科クリニック 院長

胃食道逆流症(GERD)とは

胃食道逆流症(GERD)とは、胃内容物が食道に逆流することにより様々な愁訴を訴える疾患の総称です。内視鏡検査で粘膜障害(びらん・潰瘍)が見られる逆流性食道炎と内視鏡検査で異常を認めない症候性GERDに分けられます。

引用:社会医療法人彩樹 豊中緑ヶ丘病院
http://www.midorigaokahp.jp/chiryo/gyakuryu.html

甲斐 康之 医師 甲斐内科消化器内科クリニック 院長ドクターの解説
胃食道逆流症とは、胃食道逆流により引き起こされる食道粘膜障害と、煩わしい症状のいずれか、または両者を引き起こす疾患と定義されています。

つまり、胃の内容物が食道に逆流するために、酸で食道が傷つく病気です。日本人では10人に1人の割合でみられ、その割合は増加しています。

胃酸分泌能の増加やヘリコバクターピロリ感染率の減少、ヘリコバクターピロリ除菌治療の普及などが要因と考えられています。

胃食道逆流症(GERD)の症状

最も重要な症状は、胸焼け(溝落ちから口側にむかって広がる焼けるような感じ、チクチクした感じ)です。それ以外にも、胃痛、胃の不快感、嘔気、胸痛さらには咽頭痛や咳など消化管らしくない症状もあり、十分な問診が重要となります。

引用:社会医療法人彩樹 豊中緑ヶ丘病院
http://www.midorigaokahp.jp/chiryo/gyakuryu.html

甲斐 康之 医師 甲斐内科消化器内科クリニック 院長ドクターの解説
典型的な症状として胸焼け、呑酸が認められます。また長引く咳、喘息といった呼吸器症状や喉の痛み・違和感、胸痛、みぞおちの痛み・不快感といった食道以外の症状を訴えることもあります。

胃食道逆流症(GERD)の原因

食道の最下部には下部食道括約筋と呼ばれる輪状の筋肉があって、正常なら胃の内容物が食道に逆流しないように防いでいますが、この括約筋が正常に機能していないと胃酸や消化酵素の逆流が起こります。

引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/03-消化器の病気/食道の病気と嚥下障害/胃食道逆流症-(gerd)

甲斐 康之 医師 甲斐内科消化器内科クリニック 院長ドクターの解説
中高年の男性や高齢女性に多くみられます。また肥満も関係しているといわれています。
症状は暴飲暴食や高脂肪、甘いものを摂りすぎたあとに起こります。さまざまな要因がありますが、ひとつには食道裂孔ヘルニアが関与しているといわれています。

横隔膜には食道の通る裂孔があり、加齢などにより緩みが生じた結果、胃が胸腔内に入り込むことを食道裂孔ヘルニアといい、これにより胃の内容物が食道に逆流しやすくなったり、食道に逆流した胃内容物が胃内に排出されるのに時間がかかるためです。

また高齢により腰が曲がることも要因のひとつと考えられています。
胃食道逆流症は、主に胃酸による食道粘膜障害ですが、胃酸によらない食道粘膜障害の存在も示唆されています。

胃食道逆流症(GERD)の検査法

食道内pH測定や内圧測定が推奨されますが、患者の負担が大きくどこでも出来る検査ではありません。そこで、他の食道・胃疾患と同様に上部消化管X線検査、内視鏡検査が行われています。

引用:社会医療法人彩樹 豊中緑ヶ丘病院
http://www.midorigaokahp.jp/chiryo/gyakuryu.html

甲斐 康之 医師 甲斐内科消化器内科クリニック 院長ドクターの解説
検査方法に関してですが、主に胃内視鏡により診断されます。多くは下部食道の粘膜にびらんや潰瘍を認めます。ただ症状が強いのに食道粘膜にびらんや潰瘍を認めない場合もあり(非びらん性胃食道逆流症)、症状や内視鏡所見などを総合的に診断します。

また、食道内の酸の度合いを調べる検査方法として24時間pHモニタリングという検査があります。鼻から細い管を挿入して24時間酸の検査をするのですが、大学病院などごく限られた施設で行われ一般的ではありません。

胃食道逆流症(GERD)の治療方法

薬物療法

①胃酸分泌を抑制する(胃内を中和させる)目的でPPI(プロトンポンプ阻害薬)やH2ブロッカーが用いられます。GERD治療の場合、H2ブロッカーがあまり効かないことが多く、PPIが用いられます。

②胃内容の逆流防止、食道運動促進を目的に消化管運動機能改善薬が用いられます。食道粘膜を直接保護する薬剤も用いられます。

③PPIにより多くの症例で症状のコントロールが可能となり、外科治療を選択することは少なくなりました。それでも、PPIでコントロールできない場合、服薬の中止で再燃・再発を繰り返す症例、食道狭窄、短食道などの合併症を認める場合には、手術療法が選択されます。また、最近では内視鏡手術も行われるようになってきています。

引用:社会医療法人彩樹 豊中緑ヶ丘病院
http://www.midorigaokahp.jp/chiryo/gyakuryu.html

甲斐 康之 医師 甲斐内科消化器内科クリニック 院長ドクターの解説
治療の目的は、症状のコントロールと生活の質の改善、合併症の予防です。合併症とは出血、貧血、狭窄、発がんなどです。

治療は薬物療法と生活習慣の改善、場合によっては手術も考慮されます。薬物療法では胃酸の分泌を抑える薬が使われます。第一選択薬はPPIという胃酸分泌を強力に抑制する薬が使われ、補助的に漢方薬や胃運動機能改善薬を併用することにより、治療効果が上がることがわかっています。

ただ、薬の服用をやめると再発することも多く、継続して服用するか、症状を自覚したときに服用するか、服用量を少なくするかなど維持療法が大切ですので、医師と相談しながら治療を継続することが大切です。

生活習慣では、胃内容物が食道に逆流しやすい環境を改善し、胃酸の分泌を促すような食事を控えることが必要です。
具体的には肥満の解消、食べてすぐ横にならない、お腹を締めつけない、食べ過ぎないことが必要で、また刺激物、アルコール、甘いもの、喫煙を控えることが大切です。

薬が効かない場合や、長期間の服用を必要とする場合、食道粘膜障害が高度な場合は、外科的治療が選択されます。


この記事の監修ドクター

サンプル太郎 医師 サンプルクリニック 院長甲斐 康之 医師 
甲斐内科消化器内科クリニック 院長

PROFILE

国立金沢大学医学部卒業
大阪大学医学博士

大阪大学医学部第一外科入局
国立療養所愛媛病院
大阪労災病院
法務省法務技官
大阪大学消化器外科
にて勤務

日本外科学会専門医
日本消化器病学会専門医
日本大腸肛門病学会専門医
日本消化器外科学会会員
日本臨床外科学会会員

大阪大学にて炎症性腸疾患の臨床・基礎研究にて医学博士取得

モットーは”患者様は家族”と思って診させていただいています。JR奈良駅直結の利便性の良いクリニックです。患者様の気持ちにそった診療、丁寧な診察、丁寧な説明を心がけています。

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