高血圧性脳症の症状や原因、治療方法とは?

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高血圧性脳症(読み方:こうけつあつせいのうしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、医科サプリ編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
鷹取 央 先生 たかとり内科 院長

高血圧性脳症とは

急激または著しい血圧上昇により脳血流の自動調節能が破綻し,必要以上の血流量と圧のために脳浮腫を生じる状態である。

引用:日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2014
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2014/jsh2014v1_1.pdf

鷹取 央 先生 たかとり内科 院長ドクターの解説
高血圧性脳症では、血圧の上昇により頭痛やけいれん、嘔吐、意識障害や視力障害などの症状が現れます。直ちに血圧を下げないと致命的になる可能性がありますので、早急に治療が必要となります。

高血圧性脳症の症状

頭痛、悪心(おしん)(吐き気)、嘔吐などのいわゆる頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)症状が起こります。
さらに悪化 するとけいれん、意識障害などを起こします。放置すると脳出血や心不全、腎不全により死亡します。

引用:えぞえクリニック
http://ezo-cl.jp/symptom/1377/

鷹取 央 先生 たかとり内科 院長ドクターの解説
脳の血管は、血圧に応じて拡張あるいは収縮し血流が一定になるように調整していますが、調整できないほど血圧が上昇すると脳の血流が過度に増え、その結果脳がむくみ、頭痛、けいれん、意識障害、視力障害などの症状が現れます。

高血圧性脳症の原因

高血圧性脳症では,脳血流量の自己調節機構の破綻が関与すると考えられる。正常では,血圧が上昇すると,脳灌流量を一定に保つために脳血管が収縮する。平均動脈圧(MAP)が約160mmHg(正常血圧の人で血圧が急上昇する場合はこれより低い値)を超えると,脳血管が収縮から拡張に転じる。その結果,著しい血圧上昇が毛細血管床に直接波及するとともに,脳内に血漿が漏出および滲出し,乳頭浮腫を含めた脳浮腫が生じる。

引用:MSDマニュアル プロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/04-心血管疾患/高血圧/高血圧緊急症

高血圧性脳症の検査法

典型的に施行される検査には,心電図,尿検査,血清BUN,血清クレアチニンなどがある。神経学的所見を認める患者では,頭蓋内出血,浮腫,梗塞を診断するための頭部CTが必要である。

引用:MSDマニュアル プロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/04-心血管疾患/高血圧/高血圧緊急症

鷹取 央 先生 たかとり内科 院長ドクターの解説

慢性的に血圧が高い方や動脈硬化がある方、腎臓や心臓の悪い方、甲状腺に異常がある方などは、血圧が上昇しやすいので注意が必要です。

基本的に診察時に上記に示されている症状が出現しているか確認します。神経学的所見や血圧などのバイタルサインより高血圧性脳症が疑わしい場合は、ICUやそれに準ずる施設へ緊急搬送します。血圧を下げる治療を行うには、観血的にモニタリングすることが望ましく、必要以上の急速で過剰な降圧は逆に他の臓器障害を引き起こしてしまう可能性が高いので、降圧の程度や速度が予測でき、かつすぐに調整が可能な注射薬による治療が必要だからです。

確定診断にはMRIやレントゲン、心電図、血液検査、尿検査などを行います。

高血圧性脳症の治療方法

脳血流の自動調節能が障害されているため,急激で 大きな降圧により脳虚血に陥りやすい。用量を調節しやすい静注薬(持続静注)で治療を始める。血圧値と神経症状を監視しながら,降圧速度を調整する。最初の2-3時間で25%程度の降圧がみられるように降圧を行う。ニカルジピンの静注は脳組織酸素供給を減少させず,神経徴候を伴う高血圧性緊急症の治療に有用である963)。ジルチアゼムやニトロプルシドも使用可能である。細胞外液の増加を伴う例や耐性を生じた場合にはフロセミドを併用する。頭蓋内圧を上昇させるヒドララジンは用いない。

引用:日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2014
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2014/jsh2014v1_1.pdf

鷹取 央 先生 たかとり内科 院長ドクターの解説

基本の治療として血圧を下げる点滴で降圧を開始します。また、MRI等で脳浮腫があると判断できれば脳浮腫改善薬を使用します。

この病気に関しては、症状が起きてから2~3時間以内に適切な治療を開始できれば後遺症が残らない場合も多いと思いますが、それを超えてくると後遺症が残る可能性が高くなります。

もしこのような症状に気が付いた場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

この記事の監修ドクター

鷹取 央 先生 たかとり内科 院長鷹取 央 先生
たかとり内科 院長

PROFILE

●経歴
2002年 東京医科大学 医学部 卒業
2002年 東京医科大学病院 神経内科
2011年 佐々総合病院 救急科
2012年 仁和会総合病院 内科
2016年 千歳台はなクリニック 訪問診療
2017年 たかとり内科 開業
●資格・所属学会
日本内科学会 内科認定医
日本神経学会 神経内科専門医
緩和ケア研修会修了
難病指定医(東京都)
日本医師会 認定産業医
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