急性虫垂炎(盲腸)の症状・原因・治療方法について

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

急性虫垂炎(読み方:きゅうせいちゅうすいえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、医科サプリ編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長

急性虫垂炎とは

大腸の一番口側にある盲腸の先についている 虫垂突起 に化膿(かのう)が起こった状態で,いわゆる「盲腸」としてよく知られている病気です.

引用:日本小児外科学会
http://www.jsps.gr.jp/general/disease/gi/sg2qey

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長ドクターの解説
急性虫垂炎は大腸のなかの盲腸にある、虫垂という臓器に炎症がおこる病気です。

急性虫垂炎の症状

必ず出る症状は腹痛です。腹痛は上腹部、またはおへそ周辺に突然始まり、時間とともに右下の腹部(回盲(かいもう)部)に移ってきます。時に嘔吐、吐き気がおこります。ガスが出たり、便がでなくなったりします。虫垂に穴があき、汎発性の腹膜炎をおこすと、お腹全体の強い痛みが生じます。37~38度の発熱と白血球が増加することもあります。

引用:オリンパス「おなかの健康ドットコム」
http://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/large-intestine/large-intestine_03.html

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長ドクターの解説
症状としては、まずはみぞおち部分の痛みや、発熱、吐き気、下痢などがおき、徐々に右下腹部に強い痛みが移動してきます。

ただし、虫垂のある場所は個人差があり、症状も多彩なため、診断が困難な場合もあります。

治療が遅れてしまうと、虫垂に穴が空き、お腹の中で膿みや炎症が広がり、重篤になる場合もあるので注意が必要です。

初期の症状では、通常の急性胃腸炎との違いが判断できない場合もあり、胃腸炎と診断を受けた後も経過観察をすることが、大切です。初期の段階でも、歩いたり、スキップした際に右下腹部に響く場合は注意が必要になります。

急性虫垂炎の原因

その原因ははっきりとしていませんが、何らかの理由(虫垂がねじれる、虫垂内部に便や粘液がつまるなど)で血行が悪くなり、そこに大腸菌などの腸内細菌やウイルスが侵入して発症すると考えられています。また、暴飲暴食や過労、不規則な生活、便秘、胃腸炎などが誘因となることも、しばしばあるようです。

引用:一般財団法人脳神経疾患研究所附属 南東北がん陽子線治療センター
http://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/200803/topics.htm

急性虫垂炎の検査法

触診:
腹部触診で虫垂、回盲部の位置を圧迫した時や、直腸触診で直腸の右周辺を圧迫した時に腹痛を生じます(圧痛)。直腸触診だけで発見されることもあります。

X線検査:
盲腸の拡張や虫垂内のガス像が見られます。

腹部超音波検査:
腫れて大きくなった虫垂の像、虫垂壁が肥厚、糞石などがみられます。そのほか、CT検査により他疾患との鑑別ができます。

引用:オリンパス「おなかの健康ドットコム」
http://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/large-intestine/large-intestine_03.html

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長ドクターの解説
診断は主に病歴や身体所見で行い、右下腹部に急に離したときに痛みがつよくなる反跳痛(腹膜刺激兆候=腹膜に炎症のある所見)などが見られる場合が多いです。

その後、他の疾患(憩室炎や大腸癌など、とくに女性の場合は卵巣の炎症や骨盤内炎症症候群など)を除外するためや、その後の治療に必要な虫垂内の糞石の有無や炎症の程度を調べるために、腹部CT検査(可能であれば造影)にて診断をつけていきます。

また、最近では腹部超音波検査での診断も可能になってきており、経時的に経過を追えることや侵襲の少なさから初期の診断に用いられています。(ただし、病院では最終的にはCTで診断をつける場合がほとんどです)

急性虫垂炎の治療方法

手術:
兆候が出始めて24時間以内に穿孔(穴があく)をおこす可能性があることから、虫垂炎が疑われたら、まず開腹手術を行います。この虫垂切除は、感染を起こしやすいため、抗生物質を使います。
また腹腔鏡(ふくくうきょう)下切除を行うこともあります。手術操作が腹腔内で行われるため、合併症としての傷口感染を起こしにくいメリットがあります。

薬物療法:
軽症の場合は、抗生物質により治療し、経過観察します。

引用:オリンパス「おなかの健康ドットコム」
http://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/large-intestine/large-intestine_03.html

寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長ドクターの解説
治療に関しては主に抗生剤による保存療法と、虫垂切除術が行われます。症状が軽く、糞石などの虫垂に穴があくリスクの低い患者さんには、保存療法が選択されます。

抗生物質を投与すること、生活指導(基本的に症状がある場合は食事は控えてもらうなど)になります。

ただし治療を行っても、症状が増悪する場合や改善が見られなかった場合は、外科手術へ移行する場合もあります。

また一度炎症が改善しても再発する場合もあり、繰り返す場合には、手術をお勧めすることもあります。症状が重篤な場合(虫垂に穴があき、膿瘍を形成しているなど)や、症状が繰り返している場合(以前保存療法で軽快したなど)、虫垂内に糞石がある場合(虫垂に穴が空くリスクが高いため)は、外科手術が選択されます。

炎症・症状の程度によって、腹腔鏡手術が選ばれる場合もあります。虫垂炎はその重症度に応じて手術の方法が大きく変わる病気ですので、担当医師としっかり相談をして治療方針を決めることが大切です。


この記事の監修ドクター

サンプル太郎 医師 サンプルクリニック 院長寒河江 三太郎 医師 厚木胃腸科医院 院長

PROFILE

平成19年 北里大学医学部医学科卒業。平成19年 北里大学医学部医学科卒業。国際親善総合病院にて初期研修後、慶應義塾大学一般・消化器外科教室入室。平成21年 稲城市立病院 外科。平成22年 平塚市民病院 外科。平成23年 慶應義塾大学病院 一般・消化器外科。平成27年6月 厚木胃腸科医院院長。日本消化器内視鏡専門医。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。日本禁煙学会認定指導医。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る